全員に同じ最適時刻を使うと、誰の習慣にも合わない平均の時刻になります。Brew のコンタクトごとの送信時刻の仕組み、使うデータ、効果の確かめ方を解説します。

コンタクトごとの送信時刻最適化とは、リスト全体に1つの時刻を使うのではなく、受信者一人ひとりに届くメールを、その人が過去に開封やクリックをした時間帯に合わせて予約する仕組みです。
「ニュースレターを送るのに最適な時間は?」という問いは、平均についての問いです。ベンチマークレポートは、あなたのリストにはいない何百万人もの平均をとって、平日の午前中の1時間を答えとして示します。しかし実際の読者は、朝7時の電車の中で、昼休みに、あるいは夕食の後に受信トレイを整理しています。10時に送れば、10時に読む人には合っても、それ以外の人の受信トレイでは埋もれてしまいます。
Brew では、この機能を Intelligent Send と呼んでいます。ここでは、時刻の選び方、フォールバックする場面、効果があったかどうかの検証方法を説明します。

1つの固定した時刻と、各コンタクトが過去にエンゲージメントした時間帯に分散させた配信の比較。
送信ダイアログの送信のタイミングには、「今すぐ送信」「予約配信」「Intelligent Send」「段階配信」の4つがあります。Intelligent Send を選び、開始時刻を今すぐか後で指定します。するとボタンがIntelligent Send を開始またはIntelligent Send を予約に変わります。4つのモードについては、送信オプションのドキュメントで説明しています。
Brew はコンタクトごとに、AIの評価モデルに2つの情報を渡します。1時間刻みの24枠(開始時刻の時間帯とその後の23時間)と、そのコンタクトとブランドとの履歴(直近の開封最大200件と、クリック最大100件)です。モデルは次の3点を重視して、最も可能性の高い時間帯を選びます。
選ばれた時間帯が開始時刻より後なら、メールはその約5分前に送信され、本人が受信トレイを見るときに上のほうに表示されます。開始時刻の時間帯が選ばれた場合は、すぐに送信されます。
火曜のUTC 9時に Intelligent Send を開始したとします。以下の履歴は架空のものですが、ルールは実際のとおりです。
Ana さんは直近の6通をすべてクリックしていて、その多くは平日の13時〜14時です。7時30分に開封したことも何度かあります。開封よりクリックが重視されるため、13時が選ばれる可能性が高く、メールは12時55分ごろに送信されます。
Ben さんは、ほぼすべてのメールを7時〜8時に開封しています。その時間帯はもう過ぎていますが、配信時間帯は水曜の8時59分まで続くため、Ben さんには開始から約22時間後、いつも読む直前に届きます。ここは見落とされがちな点です。朝のうちに開始しても、朝に読む人に当日届くとは限りません。
Chloe さんは先週登録したばかりで、まだ何も開封していないため、9時に届きます。
Dev さんには開封が20件ありますが、どれも到達から数秒以内で、時間帯もばらばらです。これは人が読んだのではなく、メールクライアントがコンテンツを取得したように見えます。Brew は人によるものと判断した開封とクリックしか数えないため、Dev さんの開封がどれもその判定を通らなければ、Chloe さんと同じく9時に送信されます。
Apple のメールプライバシー保護は、本人がメールを読むかどうかにかかわらず、デフォルトでリモートコンテンツをバックグラウンドでダウンロードします。そうした開封をモデルに与えると、モデルは Apple のサーバーがメールを取得する時刻を学習し、誰も見ていない時間帯に配信を予約してしまいます。
タイムゾーンや位置情報は使いません。時刻はUTCで扱い、入力は、人による過去の開封とクリックのタイムスタンプだけです。
これは思うほど大きな欠点ではありません。タイムゾーンは、その人が起きている時間を推測するための手がかりにすぎません。一方、開封のタイムスタンプは、実際に読んだ時刻の記録です。ベルリンに引っ越したのにプロフィールがニューヨークのままの人でも、いま読んでいる時刻をもとに送信時刻が決まります。
また、履歴のないコンタクトのために「オーディエンス全体の最適な時刻」をでっち上げることもありません。履歴がなければ、Brew は開始時刻に送信します。私はこれが正しいと考えています。開始時刻はあなた自身が決めたものであり、よそから借りてきた平均値がそれより優れているわけではないからです。
メールアドレスなどの識別子がモデルに渡されることはなく、モデルの呼び出しに料金はかかりません。
履歴のあるコンタクトでも、次の場合は開始時刻に送信されることがあります。
これらは「時刻を設定できなかった」として別に集計されます。この数が多い場合は、結論を出す前にそのことを把握しておきましょう。
配信の分析ページでは、結果が3行にまとめられています。
その下のコンタクトごとの送信時刻パネルには、コンタクトが予定順に並び、メールアドレスで検索できます。各コンタクトには、「過去の開封とクリックをもとに時刻を設定」や「すぐに送信:まだ開封もクリックもありません」といった理由が表示されます。
まず「割り当て」を確認しましょう。85%がすぐに送信されていたなら、それはほぼ通常の配信で、時刻を調整したのはごく一部だったということです。始めたばかりのリストではよくあることで、失敗ではありません。
数時間前後しても意味が変わらないメールに使いましょう。ニュースレター、月1回のプロダクトアップデート、コンテンツのダイジェスト、エンゲージメントの高いセグメントへのナーチャリングメールなどです。
時刻そのものが重要なメールには使いません。今日14時からのウェビナーのリマインダー、深夜0時に終わるセール、プレスリリースに合わせた発表などです。こうしたメールには「予約配信」を使いましょう。
タイミングを工夫しても、壊れたメールは救えません。開始時刻を決める前に、送信前のQAチェックリストを実行しましょう。
そのほかの注意点:
Intelligent Send は対照群を取り分けたり、改善幅(リフト)をレポートしたりはしないため、比較は自分で行う必要があります。その際は、効果が薄まって見えることに注意しましょう。時刻の調整で変化しうるのは、時刻を設定できたコンタクトだけです。2万件のコンタクトを1万件ずつ半分に分け、Intelligent Send 側の35%に時刻が設定されたとします。時刻の調整でそのグループのクリック率が3.0%から3.6%に上がったとしても(十分によい結果です)、半分のグループ全体で見ると、3.0%から約3.2%にしか動きません。1グループ1万件の規模では、クリック率3%に対する0.2ポイントの差は、配信ごとの通常のばらつきの範囲内です。これでは、効果がないと結論づけてしまうでしょう。
そこで、時刻を設定できるコンタクトでテストします。
サンプルサイズについてはA/Bテストのガイドで、クリックのほうが信頼できるシグナルである理由は本当に重要な指標で解説しています。
送信できる場所なら、どこからでも使えます。
POST /v1/sends に smartSend: true を指定します。後で開始する場合は scheduledAt も指定します。send_email ツールは smartSend を受け付けるので、Claude や Cursor に「Intelligent Send で送って」と頼めます。配信を読み出すと、windowEndsAt、assignedViaModel、assignedImmediately、modelFallbacks を含む smartSend オブジェクトが返ります。これは「割り当て」の行と同じ数値です。
元のシグナルを確認したい場合は、GET /v1/contacts/{email}?include=openProfile で、コンタクトの開封履歴をUTCの30分刻み48枠で取得できます。ユニーク開封が5件以上あるコンタクトには、最適な開封時刻、最適な送信時刻、0〜1の confidence スコアも追加されます。APIキーには、contacts に加えて emails のスコープが必要です。このプロフィールには機械的な開封が含まれることがあり、Intelligent Send はこれを読み取りません。送信時刻の計画には、人による開封とクリックが直接使われます。
いいえ。履歴のないコンタクトや、最適な時間帯が開始時刻の時間帯であるコンタクトには、開始時刻に届きます。待つのは、履歴からより後の時間帯が示されたコンタクトだけで、それもその時間帯までです。
最初は効果がありません。人による開封やクリックの記録がなければ、全員に開始時刻に送信されます。効果が出てくるのは、何回かの配信でエンゲージメントが蓄積されてからです。
いいえ。開始時刻は、履歴のない全員にとっての送信時刻であり、24時間の配信時間帯の起点にもなります。通常の配信として送っても満足できる時刻を選びましょう。
いいえ。使うのは、各自が過去に開封・クリックした時刻だけです。保存されたタイムゾーンよりも、こちらのほうが確かな根拠になります。
