AIメール作成ツールを、ブランドの再現度、生成後の編集、メールの送り方で比較します。取り上げるのは Brew、Klaviyo Composer、Stripo、Email Love、Emailify です。
この比較は Brew が公開しているものです。2026年9月28日に、リンク先の各社の製品ドキュメントを確認しました。これはドキュメントに基づく比較であり、すべてのプラットフォームを実際に試したと主張するものではありません。最新のプランの上限は、各ベンダーの料金ページで確認してください。
AIメール作成ツールに春のセールのメールを頼むと、返ってきた下書きには、ありきたりな青いボタンと、自社ブランドでは一度も使ったことのないフォントが使われています。リンクを1つ変えるだけでも、メール全体を生成し直すことになります。見た目が整ったあとも、誰かがHTMLをESPに貼り付け、その過程で崩れた部分を直さなければなりません。
このガイドでは、5つの作成ツールを、この3つの課題で比較します。ブランドに合わせられるか、生成後に編集できるか、別のツールで作り直さずに送信できるか、です。対象はデザインの領域に絞っています。送信時刻の予測モデルやエージェントによる運用まで含めた、より広いカテゴリーについては、AIメールマーケティングツールをご覧ください。
2026年9月28日に、各ベンダーの料金ページとドキュメントを確認し、次の4つの基準で比較しました。
これは公開されているページをもとにした調査です。すべてのツールで同じプロンプトを試したわけではありません。
| ツール | ブランド情報の入手元 | 生成後の編集 | メールの送信 | 導入時の料金 |
|---|---|---|---|---|
| Brew | ウェブサイトと、アップロードしたブランドファイル | キャンバス上で、プロンプトでも手作業でも編集可能 | 対応。認証済みのドメインから送信。対応するメール配信プラットフォームへのテンプレートのエクスポートも可能 | 無料プラン。Growth は月額$99 |
| Klaviyo Composer | Klaviyo アカウントにある語り口、色、フォントの設定と送信履歴 | 下書きは Klaviyo のエディターで開く | 対応。承認後に Klaviyo 内で送信 | Klaviyo の無料プラン。有料プランはプロフィール数に応じた料金 |
| Stripo | エディター内の Brand Kit | AI Assistant を備えたドラッグ&ドロップエディター | 非対応。ESPへのエクスポート、またはHTMLで書き出し | 無料。Basic は月額$20 |
| Email Love | Figma のデザインシステム | Figma 上 | 非対応。APIで24のプラットフォームにエクスポート。HTML/MJMLでの書き出しも可能 | 無料(エクスポート月5回)。Starter は1ユーザーあたり月額$19 |
| Emailify | Figma 上の Emailify のコンポーネント | Figma 上 | 非対応。40以上のESPにエクスポート | Pro は月額$49 |
Brew は、ブランドの抽出から始まります。ドメインを入力すると、エージェントがサイトを読み込み、email-design.md というブランドドキュメントを作成します。ブランドガイド、PDF、ロゴ、過去のメールをアップロードすることもできます。アップロードしたファイルと公開中のサイトの内容が食い違う場合、Brew はファイルのほうに従います。Brew がブランドをフォームの入力項目ではなく、編集できるドキュメントとして保存している理由は、email-design.md の記事で解説しています。
生成したメールは、キャンバス上に並べて表示されます。そこから、プロンプトで編集したり、テキスト、リンク、ボタン、画像をクリックして変更したり、元のメールを残したまま別のパターンを作ったり、モバイル、タブレット、デスクトップの幅でプレビューしたりできます。1通のメールを参考メールに設定して、以降の生成でそのデザインを踏襲させることもできます。
Brew は、自社の認証済みドメインから送信します。今すぐ送信するか、予約配信にするか、段階配信や Intelligent Send を使うかを選べます。チームがすでに別のプラットフォームから送信している場合は、Klaviyo、HubSpot、Mailchimp、Brevo、Braze、Iterable ほか5つのプラットフォームに、デザインをテンプレートとしてエクスポートできます。エクスポートで作成されるのは相手側のプラットフォームのテンプレートだけで、何も送信されません。
Brew は、Klaviyo と比べると新しいプラットフォームです。無料プランではメールに Brew のウォーターマークが入り、毎月AIクレジット500と送信1,000通が含まれます。Growth(月額$99)では、ウォーターマークがなくなります。すべてのプランで、メールの作成、送信、オートメーションを使えます。
Brew が向いているのは、生成、編集、送信を1か所で済ませたいチームと、使い続けるESP向けにブランドらしいテンプレートが欲しいチームです。
すでに Klaviyo、Mailchimp、Brevo を使っているチームは、ワークフローのほかの部分を変える前に、まず1つのキャンペーンで試してみましょう。
エクスポートはコピーであり、リアルタイムの同期ではありません。あとでデザインを変更したら、もう一度エクスポートする必要があります。オーディエンスのデータ、オートメーションの設定、配信レポートは、送信側のプラットフォームに残ります。全体の流れは、Klaviyo の手順ガイドで紹介しています。Customer.io の場合は、Brew から直接エクスポートできないため、HTMLを手動でインポートしてください。
Composer は、Klaviyo のAIエージェントです。目標を伝えると、メール、SMS、プッシュ通知のキャンペーン、メッセージを含むフロー、セグメントの下書きを作成します。Klaviyo によると、Composer が最も力を発揮するのは、アカウントにブランドの語り口、ブランドカラー、フォントが設定済みで、送信履歴もある場合です。下書きは、Klaviyo 独自のエディターで開きます。
Composer は、承認なしに何かを送信したり公開したりすることはありません。承認すると、すでに運用している Klaviyo からキャンペーンが送信されます。
Composer は Klaviyo の中でしか使えません。すでに Klaviyo を使っていて、成果の履歴もそこにあるストアに向いています。Klaviyo を使っていないチームが Composer を使うには、プラットフォームごと導入する必要があります。無料プランでは、アクティブなプロフィール250件と、月500通のメール送信を利用できます。
Stripo は、AI Assistant を備えたメールテンプレートエディターです。AI Assistant は、テキストを書き、構成を提案し、メールで安全に使えるモジュールからセクションを組み立てます。その際には、Brand Kit に登録したフォントと色を使います。メールの仕上げはドラッグ&ドロップエディターで行い、ESPにエクスポートするか、HTMLとして書き出します。
Stripo はキャンペーンを送信しません。プランによって、エクスポートとテストメールの回数に上限があります。エクスポートできる回数は、Free が月4回、Basic(月額$20)が50回、Medium(月額$45)が300回、Pro(月額$125)が4,000回です。
完成度の高いエディターで手作業の編集を中心に進めつつ、AIの補助も受けたいチームで、送信は別のESPで行う場合に向いています。
Email Love は Figma のプラグインです。Figma のレイヤーをMJMLに、さらにHTMLに変換します。100以上のコンポーネントを使って作ることも、自社の Figma のデザインを使うこともできます。Growth プラン以上では、AI Studio が、Figma のデザインシステムの色、フォント、コンポーネントを使って、テキストのブリーフからテンプレート全体を生成します。
エクスポート先は、APIで連携する24のプラットフォーム(Braze、Klaviyo、HubSpot、Iterable、Customer.io など)で、Loops などにはファイルで書き出せます。料金は月5回までエクスポートできる無料プランから始まり、Starter は1ユーザーあたり月額$19、Growth は1ユーザーあたり月額$59です。
Figma のライブラリをデザインの基準にしているデザインチームに向いています。送信ツールではありません。
Emailify も Figma のプラグインで、Hypermatic が提供しています。エクスポートできるのは Emailify 独自のコンポーネントで作ったメールなので、既存の Figma のデザインは、まずそのコンポーネントで作り直す必要があります。ベータ版の AI Designer は、承認済みのコンポーネントライブラリを使って、キャンペーンのブリーフからメールを作成します。作成したメールは、Figma 上で編集できます。Emailify Pro は月額$49です。
Figma でデザインし、対応している40以上のESPのいずれかにエクスポートしたいチームに向いています。
| こんな場合 | まず試すツール |
|---|---|
| ブランドの抽出、編集、送信を1つの製品で済ませたい | Brew |
| ブランドらしいテンプレートが欲しいが、今のESPは使い続けたい | Brew(エクスポート)または Stripo |
| すでにストアを Klaviyo で運用していて、送信履歴もそこにある | Klaviyo Composer |
| Figma のライブラリをブランドの基準にしている | Email Love または Emailify |
| 実績の長いエディターで手作業の編集を中心に、AIの補助も受けたい | Stripo |
候補に残したツールそれぞれで、同じブリーフを試しましょう。テンプレートは、メールエージェントへのブリーフの書き方にあります。そのうえで、次の4点を確認します。
AIが生成した販促メールも、商用メールであることに変わりはありません。誰が書いたものであっても、FTCによるCAN-SPAM法のガイドに沿った対応が必要です。また一括送信者は、引き続き Gmail の送信者の要件を満たさなければなりません。
生成する前に、ツールがブランドを把握している必要があります。その情報源は、ウェブサイト、アップロードしたガイド、ブランドキット、Figma のライブラリ、過去の送信などです。色やフォントだけでなく、よく使うレイアウトや語り口まで再現できるかも確認しましょう。
はい。Brew、Stripo、Email Love、Emailify は、いずれも完成したメールを既存のESPに引き渡せます。Brew は、対応するメール配信プラットフォームにテンプレートをエクスポートします。Customer.io には Brew から直接エクスポートできないため、HTMLを手動でインポートしてください。導入を決める前に、使っているESPが対応リストに入っているかを確認しましょう。
送信するのは Brew と Klaviyo だけです。Klaviyo のドキュメントには、Composer では承認が必要だと記載されています。Brew では、本番の送信に認証済みのドメインが必要です。OAuth接続と組織全体の接続では人による確認が求められますが、ブランド単位のAPIキーを使うクライアントはその確認なしで送信するため、承認の手順は自社のクライアントに組み込んでください。Stripo、Email Love、Emailify は、そもそもキャンペーンを送信しません。
認証、ドメインのレピュテーション、受信者の同意、迷惑メール報告は、AIで生成したメールにも、手で書いたメールにも同じように影響します。メール内の主張と配信停止リンクを確認し、オーディエンスが使っているメールクライアントでテストしましょう。
自社のブランドがメールでどう表現されるかを見るには、自社のドメインで Brew を始めて、最初の下書きを前回のキャンペーンと比べてみましょう。
