2026年9月のメール動向を出典付きで。Apple Mail と Gmail に広がるAIの読み手、エージェントに開かれるESP、Microsoft の障害、ホリデーの新データ、第4四半期の見通し。

The State of Email は、マーケティングメールやライフサイクルメールを送る人に向けて、何が変わったのかをまとめる月次レポートです。メールボックスプロバイダー、プラットフォーム、数字、ルール、そしてこれからのシーズンを取り上げます。すべての主張には出典へのリンクを付け、ベンダーが自社の顧客について報告している場合は、その旨を明記します。
創刊号となる今回は、2026年8月と9月を対象にしています。要点をまとめると、受信トレイではAIの読み手が増え、メールプラットフォームは外部のエージェントにできることを広げ、Gmail のルールは据え置かれましたが、Gmail で特に重宝されていたダッシュボードのひとつは姿を消しました。そして、オンラインと小売全体を分けて示した予測は、いずれもオンラインのほうが速く伸びると見込んでいます。時間がない方は、終盤にある10月のチェックリストだけでも実践してください。

今号の背景にある、日付が明らかな16の出来事。それぞれのリンクは本文に掲載しています。
Apple は9月14日に iOS 27、iPadOS 27、macOS 27 をリリースしました。目玉機能の Siri AIは、「メッセージ、メール、写真などにまたがる個人的な文脈を理解できる」とされています。まず英語のベータ版として提供が始まり、フランス語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語には10月に対応する予定です。また、EUでは当初、iOS、iPadOS、watchOS で利用できません。
メールの検索も変わりました。9to5Mac が気づいたように、「メールのまったく新しいランキングシステムにより、トップヒットにさらに関連性の高い結果が表示される」ようになり、メールは「入力した単語だけでなく、意図をもとに」検索するようになりました。
Validity によるこのリリースの分析は率直です。「ブランドと受信者の仲介役としての Apple の役割が深まるにつれ、従来のエンゲージメント指標(開封、クリックなど)は、メッセージの実際の有用性を過小評価するようになると、マーケターは想定しておくべきだ」。Apple はメールプライバシー保護(Mail Privacy Protection)について新たな発表をしていないため、Apple Mail の開封は、これまでどおり当てにならないものとして扱いましょう。
Google は9月15日、Gmail 検索の「AI による概要」を、Gmail の言語が英語に設定された有料プラン向けに世界展開しました。検索バーに入力した質問に、「メールを掘り返さなくても済む、簡潔な要約と回答」を返します。個人ユーザーが使うには Google AI Plus、Pro、Ultra のいずれかが必要で、EEA、英国、スイス、日本の個人アカウントは対象外です。その2週間前の9月3日には、「簡単な質問をするだけで、受信トレイの特定の情報を見つけられる」音声モード、Gmail Live を発表しています。
アシスタントが読むのはテキストであって、デザインではありません。画像に埋め込まれたクーポンコード、バナーにしか書かれていない締め切り、代替テキストにしか存在しない商品名。どれも、見つけて正しく引用するのが難しくなります。オファー、コード、有効期限、注文番号、取ってほしいアクションは、画像ではなくテキストで書きましょう。
とはいえ、人々はまだ受信トレイをAIに任せきりにしてはいません。Validity のホリデー調査では、ホリデーシーズンのメールの管理にAIの要約を使っている人は7%で、36%は受信トレイにAIアシスタントは一切いらないと答えています。ただし、25%は、最もお得な情報を見つけるためならAIアシスタントを使うと回答しました。
8月と9月に、Gmail の送信者向けの新たな要件は見当たりませんでした。送信者向けガイドラインのよくある質問では、引き続き、ユーザーが報告した迷惑メールの割合を0.1%未満に保ち、決して0.3%に達しないよう求めています。また、「2025年11月から、Gmail は要件を満たさないトラフィックへの対応を強化している」として、一時的な拒否と恒久的な拒否を行うと記載しています。
これは多くの人の不意を突く変更です。Al Iverson 氏は8月20日に、Google が v1 の廃止の一時停止を解除したと報じました。「GPT V1(Google Postmaster Tools v1)は段階的に廃止されつつある」。バージョン2には「V1 にあったレピュテーションの指標が含まれていない」ため、ドメインとIPのレピュテーションを示す bad、low、medium、high の評価も、v1 とともに姿を消します。
チームに毎朝そのグラフを確認している人がいるなら、今のうちに新しい日課を用意しましょう。迷惑メール率、v2 のコンプライアンス状況、送信ログにあるバウンスや遅延のコード、そして自社データにもとづくメールボックスプロバイダー別のエンゲージメントです。
8月31日から9月9日にかけて、Microsoft は Exchange Online で3件の別々の障害を記録しました。その全容は、emailexpert が9月10日にまとめています。
| 日付 | インシデント | 内容 |
|---|---|---|
| 8月31日〜9月3日 | MO1465074 | 認証設定の不具合により、Exchange Online をはじめとする Microsoft 365 のサービスが約67時間にわたって影響を受けました。 |
| 9月4日 | EX1467029 | 外部からのメールが 451 4.7.500 Server busy(サブコード S77714)で遅延しました。Microsoft は、迷惑メール対策のモデルと、復旧中も発動し続けたスロットリングのルールが原因だと説明しています。 |
| 9月9日 | EX1469649 | メールフローの更新でCPU使用率が上昇し、Outlook モバイルと Outlook for Mac が接続できなくなりました。 |
9月4日のことは覚えておきましょう。Microsoft は 451 4.7.500 を、送信者の送信パターンの変化によって起きるスロットリングだと説明しているため、送信者はまず自分たちを疑いました。ところがその後、One.com、Qboxmail、Mailjet、Poppulo がそろって、すべてのIPとリージョンで同じコードを報告しました。Microsoft での遅延を理由に送信量を減らしたりドメインを一時停止したりする前に、ほかの送信者にも同じことが起きていないかを確認しましょう。
大手の受信トレイの中で、今も最も届きにくいのは Microsoft です。Validity の2026年版ベンチマークによると、2025年の受信トレイ到達率は Microsoft が77.4%で、Gmail の89.8%、全世界の87.2%を下回っています。
Validity は9月3日、Heatwave を開始しました。偽アカウントのネットワークで作り出した開封、クリック、返信をやり取りしてウォームアップされたドメインを対象とするブロックリストです。同社によると、すでに100万以上のドメインが登録されています。代理店やベンダーが自社の名前でアウトリーチやウォームアップを行っているなら、自社のドメインが登録されていないか確認しましょう。
2つのベンダーの調査が、DMARCレコードが存在するかどうかだけでなく、その中身まで確認しました。1lookup は9月に調査し、EasyDMARC は今年の早い時期に、はるかに大きなデータセットを計測しています。
| ドメインの集合 | DMARCを公開 | 適用(quarantine または reject) | 出典 |
|---|---|---|---|
| メールを受信する上位5,000ドメイン | 84.4% | 65.5% | 1lookup(2026年9月) |
| 50万位前後の3,000ドメイン | 65.2% | 29.5% | 1lookup(2026年9月) |
| 上位180万ドメイン | 52.1% | 22.9% | EasyDMARC(2026年初め) |
p=none のレコードは、なりすましを報告するだけで、まったくブロックしません。ポリシーの適用は、受信トレイにロゴを表示するための条件でもあります。BIMIにはポリシーの適用が必要ですが、上位5,000ドメインのうちBIMIレコードを公開しているのは15.7%にすぎません。ホリデーシーズンに向けてフィッシングが増えている(詳しくは後述)今、ポリシーの適用まで進めることは、10月に取り組むプロジェクトとして最良の選択肢のひとつです。設定方法は到達率ガイドで解説しています。
この期間で最も明確だったプロダクトのトレンドは、自社アプリの中にアシスタントをもうひとつ作るのではなく、外部にいるエージェントが自社のデータや操作にアクセスできるようにする動きです。その多くは、Model Context Protocol(MCP)や、Claude・ChatGPT の公式コネクターを通じたものでした。ほとんどの企業はすでに何らかの対応をしていましたが、この期間には、ツールの追加、書き込みアクセスの拡大、新しいコネクターの提供が相次ぎました。
| 日付 | 企業 | リリース・発表の内容 |
|---|---|---|
| 8月12日 | Loops | Workflows APIと Claude コネクター |
| 8月31日 | Intuit Mailchimp | Perplexity Computer 向けの Mailchimp コネクター(QuickBooks とあわせて提供) |
| 9月9日 | Klaviyo | Claude、ChatGPT などのAIシステムから使える「260以上のMCPツールと機能、490以上のAPI」 |
| 9月10日 | Customer.io | ワークスペースのデータを分析するエージェント、CLI、MCPツール |
| 9月16日 | HubSpot | 「実際にアクションを起こす」ようになり、エージェントに作業を割り当てる Breeze Assistant |
| 9月17日 | Brew | フロー:エージェントがAPIやMCP経由で読み取れる、収集した151件のメールシーケンス |
| 9月23日 | Brew | 組織キー:組織内のすべてのブランドに使える、1つのAPIキーまたはMCP接続 |
| 9月28日 | Brevo | コンタクトや成果を読み取り、メールやSMSの下書きを保存できる Claude コネクター |
| 9月29日 | beehiiv | Claude と ChatGPT の公式コネクター |
| 9月29日 | Salesforce | MCPサーバーを備えた Headless Marketing と、Marketing Cloud 向けの Campaign Agent |
| 9月29日 | Braze | MCPを使って Braze のアシスタントを Claude などのツールに持ち込む Operator Connect |
任される仕事も大きくなっています。Braze の Agentic Standards はキャンペーンのQAをエージェントに任せ、Iterable の Monitoring Agent は「早期の兆候を示し、何が起きたのか、なぜそれが重要なのかを説明」します。Salesforce は、Campaign Agent がローンチ後も「働き続ける」としており、Attentive の Lifecycle Intelligence には、商品への関心度にもとづくオーディエンスが加わりました。8月の決算発表では、Klaviyo が自社を「自律型のB2C CRM」、HubSpot が「成長企業のためのエージェント型カスタマープラットフォーム」と称しました。
消費者向けの機能にも、参考にしたい点があります。Engadget によると、Claude の Gmail コネクターでは「デフォルトで、Claude はメールを送信する前に必ずユーザーの同意を求める」とのことです。これはマーケティングでも正しいデフォルトです。エージェントが実際の配信リストにアクセスできるようになれば、誰が何を承認したかは、文面と同じくらい重要になります。
Brew のMCPサーバーも、この考え方で作っています。OAuth接続では、実際の配信は人が確認するまで待機します。また9月からは、1つの接続で組織内のすべてのブランドを扱えるようになり、各呼び出しでは操作対象のブランドを指定します。(開示:上の表に挙げた企業の中には、Brew の競合も含まれています。日付とリンクのある発表を並べただけで、順位は付けていません。)
2026年のベンチマークは、どれも異なる「平均開封率」を報告していますが、その差の大部分は計算方法によるものです。送信量で加重しているものもあれば、していないものもあり、中央値を使うものも、Apple のメールプライバシー保護が生む機械的な開封を数に入れているものもあります。

指標の名前は同じでも、定義が違います。Brevo 自身の数値も、Apple MPPによる開封を含めると20.73%から33.87%に変わります。Brew の35.6%は、検出した機械的な開封を除いた後の数値です。
| 出典 | 公表された開封率 | 計測方法 |
|---|---|---|
| Selzy(2026年6〜7月) | 加重平均11.0%、中央値13.6% | ユニーク開封数 ÷ 到達数、送信量で加重。対象は6億220万通 |
| Brevo(2025年のデータ) | 20.73%(Apple MPPを含めると33.87%) | 加重なしの平均、外れ値を除外。顧客17万5,000以上 |
| Klaviyo(2026年版レポート) | キャンペーン31%、フロー32.2% | Klaviyo の顧客(レポート本文では18万3,000以上) |
| MailerLite(2024年12月〜2025年11月) | 43.46% | 18万1,000以上のアカウントによる360万件のキャンペーン |
| Brew(2026年8〜9月) | 35.6% | Brew の顧客の配信。検出した機械的な開封(Apple のプライバシー保護による事前取得、セキュリティスキャナー)とボットによるクリックを、デフォルトで除外 |
ですから、開封は同じプラットフォーム上の自社の過去の実績とだけ比べ、目標はクリック、コンバージョン、受信者あたりの売上で設定しましょう。そのうえで、ダッシュボードが何を数えているのかを確認してください。プラットフォームごとの違いが最も大きいのは、まさにそこだからです。
私たち自身の数値も、同じように読んでください。8月と9月の Brew の顧客の配信全体では、検出した Apple のプライバシー保護による事前取得と、セキュリティスキャナーによるピクセルの読み込みを除いたうえで、到達したメールの35.6%が開封されました。機械的な開封に支えられることなく、Klaviyo の31%や、MPPを含めた Brevo の33.87%を上回っています。だからこそ私たちは、今、開封とクリックを読み解くのに最適な場所は Brew だと考えています。フィルタリングはすべての配信でデフォルトで行われ、設定は何も必要ありません。そのため、数値が動いたときは、読み手の行動が実際に変わった可能性がはるかに高いのです。とはいえ、すべてのスキャナーを捉えられるフィルターはありませんし、私たちの顧客は、これらのベンダーの顧客とは異なる集団です。統制された比較ではなく、あくまで Brew のデータとして読んでください。どんな統計にも投げかけるべき質問は、信頼できるベンチマークの見極め方のガイドにまとめています。
開封は、件名と差出人が目を留めてもらえたことを示します。クリックは、メールが役目を果たしたことを示します。追うべき比率は2つです。受信者のうちクリックした人の割合であるクリック率と、クリックしたユニーク人数を開封したユニーク人数で割った開封後クリック率(CTOR)です。

Brew のクリック率は、開封率と開封後クリック率から算出したものです。Brew の数値からは、ボットによるクリックを除外しています。
| 出典 | クリック率 | 開封後クリック率 |
|---|---|---|
| Brew の顧客(2026年8〜9月) | 約15% | 42% |
| Brevo(2025年のデータ) | キャンペーンは2.27%、自動配信とトランザクションメールは7.39% | 10〜20%が一般的とのこと |
| MailerLite(2024年12月〜2025年11月) | 2.09% | 6.81% |
| Klaviyo(2026年版レポート) | キャンペーンは1.69%、フローは5.58% | 非公表 |
Brew の顧客の開封後クリック率は42%でした(クリックしたユニーク人数 ÷ 開封したユニーク人数)。開封率35.6%と組み合わせると、到達した100通あたり約15通がクリックされた計算になり、同じメールへの繰り返しのクリックは二重に数えていません。プラットフォーム間で開封後クリック率を比べる際には、注意点がひとつあります。機械的な開封を除外すると分母が小さくなり、開封後クリック率は押し上げられます。受信者を分母とするクリック率にはこの問題がなく、この指標で見ても、Brew の顧客は公表されているキャンペーンの平均の数倍でした。すべてのURLをクリックするリンクスキャナーもクリック率を水増しする可能性があるため、Brew は検出したボットによるクリックを除外してから集計しています。開封率は横ばいなのに開封後クリック率が下がっているなら、メールそのもの、つまりオファー、レイアウト、CTA(行動喚起)を見直しましょう。
3つのプラットフォームのデータは、同じ方向を示しています。ただし、キャンペーンをフローに切り替えれば成果が上がるという因果関係を証明するものは、ひとつもありません。

どちらのベンダーのデータでも、送信量に占める割合は小さく、売上に占める割合は大きくなっています。
9月30日に公開された Validity の2026年ホリデー消費者調査は、主にメールの量に関するものです。発表にはサンプルサイズも対象国も記載されていないため、傾向を示すものとして読んでください。
最後の点は、低コストで対応できます。「1月までメールを減らす」という選択肢があれば、失っていたはずの購読者をつなぎとめられます。また、実際に購読をやめる人が、頻度を理由に挙げることはめったにありません。Selzy の2026年半ばのデータでは、理由が記入された約17万3,000件の配信停止のうち83.5%が「もう興味がない」に類する理由を選び、「頻度が高すぎる」は6.8%でした。1つのプラットフォームの顧客のデータなので、ひとつのシグナルとして扱いましょう。
9月21日に公開された Mailchimp のピークシーズン分析は、2025年のハロウィンから大みそかまでに送信された440億通以上のメールと、8,300万件のテキストメッセージを対象にしています。以下は、Mailchimp の顧客に見られた相関関係です。
計画の軸にすべきは、この再購入の数字です。ホリデーシーズンの初回注文の後に始まり、1月まで続く購入後フローなら、2回目の注文が生まれたまさにその期間をカバーできます。
多くの資料に登場する「1ドルあたり36ドル」という数字は、マーケターの回答をまとめた2020年の Litmus の調査によるものです。英国DMAの2026年の数字である1ポンドあたり約41ポンド(約38ポンドから上昇)も自己申告にもとづいており、Mailgun の2026年の調査では、販促メールのROIをそもそも測定できている送信者は46%にとどまりました。計画には、代わりに自社の受信者あたりの売上を使いましょう。
| 企業 | 対象期間と発表日 | 発表内容 |
|---|---|---|
| Klaviyo | 2026年第2四半期(8月5日) | 売上高3億7,060万ドル、26%増。通期見通しを15億2,600万〜15億3,400万ドルに上方修正 |
| HubSpot | 2026年第2四半期(8月5日) | 売上高9億1,170万ドル、報告ベースで20%増 |
| Intuit Mailchimp | 2026会計年度第4四半期(8月25日) | 8月1日からMailchimp を独立した事業セグメントとして管理し、2027会計年度からは独立した報告セグメントに |
| Braze | 2027会計年度第2四半期(9月8日) | 売上高2億2,720万ドル、26.2%増。顧客数2,789社 |
Klaviyo は、Elias Torres 氏のAI企業である Agency のチームと技術を買収することでも合意しました。また9月23日には、SMSプラットフォームの Postscript がメール配信に参入しました。SMSを主軸とするプラットフォームとメールを主軸とするプラットフォームが、いまや同じリテンション予算を奪い合っています。
Morgan Lewis のまとめによると、EU AI法の第50条は2026年8月2日から適用されています。合成コンテンツを生成するツールの提供者は、出力に機械可読な形式で印を付けなければなりません。2026年12月2日までの猶予期間が認められるのは、8月2日より前にすでに市場に出ていたシステムだけです。導入者(そうしたツールを使う企業)は、ディープフェイクと、公共の利益に関わる事柄について一般に情報を伝える目的で公開する、AIが書いた一部のテキストについて、その旨を開示しなければなりません。ほとんどの販促コピーは、これに該当する可能性は低いでしょう。ただし、メールに載せた人物や場所のリアルなAI画像は該当するかもしれません。これは概要であり、法的助言ではありません。
CNIL(フランスのデータ保護機関)は2026年4月14日、メールのトラッキングピクセルに関する勧告を公表し、既存の購読者に通知して異議を申し立てる機会を与える期限を7月14日と定めました。そのFAQは、7月22日に公開されています。7月14日以降、ピクセルには同意が必要です。例外は、到達率やセキュリティの目的だけに使われ、すべての条件を満たす場合に限られ、開封の時刻まで記録するピクセルは、もはや例外に該当しません。フランスの受信者にメールを送っているなら、その期限はすでに過ぎています。
2025年7月8日、連邦控訴裁判所は、FTC(米連邦取引委員会)のクリック・トゥ・キャンセル規則を無効としました。FTCによる新たな意見募集は2026年4月13日に締め切られましたが、9月30日時点で、新しい最終規則は見当たりませんでした。きちんと機能するオプトアウトの仕組みを含め、CAN-SPAM法は引き続き適用されます。
| 予測元 | 公表日 | 予測 |
|---|---|---|
| Adobe | 9月28日 | 11月1日〜12月31日の米国のオンライン売上は2,751億ドルで6.7%増。サイバーマンデーは151億ドル、ブラックフライデーは129億ドルで9.2%増 |
| Deloitte | 9月10日 | ホリデーシーズンの小売売上は1.70兆〜1.71兆ドルで4.0〜4.8%増。ECは7.5〜8.4%増 |
| Mastercard Economics Institute | 9月下旬 | 11月1日〜12月24日の、自動車とガソリンを除く小売売上は5.5%増。オンラインは11%増 |
Adobe の発表のうち、2つの項目はカレンダーに書き込んでおきましょう。1つは、10月の米国のオンライン消費を958億ドル(8%増)と予測していることで、そのうち99億ドルは10月6日と7日のプライムデーの分です。もう1つは、AIチャットやブラウザのアシスタントから小売サイトへのトラフィックが130%増え、感謝祭にピークを迎えるという予測です。キャンペーンを告知したメールを一度も開かずに、キャンペーンページにたどり着く買い物客も出てくるでしょう。
Anti-Phishing Working Group(APWG)の2026年第2四半期のレポートでは、フィッシング攻撃は106万9,681件で第1四半期から10.1%増え、電信送金を狙ったビジネスメール詐欺は88%増加しました。9月17日には、FBIのIC3が、2025年1月以降の政府機関へのなりすまし詐欺による被害額が16億ドルを超えたと報告しました。なりすましは、誠実な送信者に二重の打撃を与えます。購読者はブランドからのメールを信用しなくなり、メールボックスプロバイダーはフィルタリングを強めます。自分でコントロールできるのは、DMARCポリシーを適用することです。
p=none から quarantine、さらに reject へと引き上げる。正規の送信元がすべてアライメントを通過するようになってから行います。このレポートの発行元として、同じ2か月間に私たちがリリースしたものも紹介します。
そのほかの変更は、すべて変更履歴に掲載しています。
2026年8月1日から9月30日までに公表または施行された発表、規制当局への提出書類、調査、規制文書を集めました。比較の基準として役立つ場合には、それ以前の資料もいくつか、日付を明記したうえで使っています。すべての出典を実際に開き、数値は出典そのものから写しています。匿名の買収のうわさ、予測元までたどれなかった予測、一次資料で確認できなかった統計は除外しました。見落としや誤りがあればお知らせください。今号を訂正し、その旨を明記します。
メールマーケターにとって何が変わったのかをまとめた、Brew の月次レポートです。メールボックスプロバイダー、到達率、プラットフォーム、データ、規制、そしてこれからのシーズンを取り上げます。毎号、出典へのリンクを示し、ベンダーのデータはベンダーのデータであると明記しています。
9月14日に Apple が Siri AIを搭載した iOS 27 をリリースし、9月15日には Gmail の検索の「AI による概要」が世界中の有料プランで使えるようになりました(EEA、英国、スイス、日本の個人アカウントを除く)。Google は Postmaster Tools v1 とそのレピュテーションのダッシュボードの廃止を進め、Microsoft では8月31日から9月9日にかけて Exchange Online の障害が3件発生しました。また、多くのメールプラットフォームが、外部のAIエージェントにできることを広げました。
8月と9月には変更されていません。迷惑メール率を0.1%未満に保ち、決して0.3%に達しないようにというガイダンスは変わっておらず、Gmail は2025年11月から、要件を満たさないメールに対する一時的・恒久的な拒否を含め、対応を強化しています。
ベンダーをまたいで通用する、信頼できる答えはありません。公表されている2026年のベンチマークは、計算方法も、Apple のメールプライバシー保護による開封の扱いも異なるため、11%から43%まで開きがあります。同じプラットフォーム上の自社の過去の実績と比べ、目標はクリック、コンバージョン、受信者あたりの売上で設定しましょう。使っているプラットフォームが機械的な開封を数えている場合、開封率は実際より高く見えます。Brew は検出した機械的な開封とボットによるクリックをデフォルトで除外しており、それらを除いた Brew の顧客の2026年8月と9月の平均は35.6%でした。
MailerLite は平均を6.81%としており、Brevo は10〜20%を一般的な水準としています。Brew の顧客の2026年8月と9月の平均は42%で、到達したメールの約15%がクリックされた計算です。機械的な開封を除外するプラットフォームでは分母が小さくなるため、開封後クリック率は高めに出ます。プラットフォームをまたいで比べるなら、受信者を分母とするクリック率のほうが公平です。
